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急にお金を返せと言われた!返済義務の有無や返せないときの対処法を解説

この記事でわかること
  • 個人間では返済義務がなくても急にお金を返せと言われることが多い
  • 急にお金を返せと言われても2週間程度の猶予を求めることが可能な場合もある
  • 返済義務の有無にかかわらず、度を超えた取り立てに応じる必要はない
  • 返済義務がある借金を返せない場合は債務整理も視野に入れるとよい

個人間でお金の貸し借りをしていると、急にお金を返せと言われて困ってしまうことがよくあります。

借りたものは返さなければなりませんが、「返さなくてよい」と言われていた場合は借りたことにならないので、返す必要はありません。返済義務がある場合でも、今すぐに返済する必要はないケースもあるので注意が必要です。

この記事では、急にお金を返せと言われた場合の返済義務の有無や、返済義務があっても返せない場合の対処法などについて、わかりやすく解説します。

個人間借金で急にお金を返せと言われることが多い理由

個人間借金には貸金業者からの借金とは異なり、以下の問題があることが多いです。このような問題が原因となり、貸主から急にお金を返せと言われることが少なくありません。

それぞれの問題について、内容をみていきましょう。

借用書を作成していない

個人間の借金では、借用書を作成していないことがよくあります。

金銭消費貸借契約は口約束でも成立するので、借用書のない借金も法的に有効です。しかし、借用書がなければ契約内容が曖昧になりやすく、双方の認識にも相違が生じがちになります。返済期限だけでなく、借入額や利息の有無などが曖昧になることもあるでしょう。

そのため、貸主としては正当に請求しているつもりでも、借主にとっては「急にお金を返せと言われた」と感じることになりかねません。

借用書の記載内容に不備がある

借用書を作成したとしても、記載内容に不備があるケースは多いです。

その点、貸金業者からの借金では、以下の項目をはじめとする事項を詳細に記載した金銭消費貸借契約書が必ず作成されます。

  • 貸主および借主の氏名(名称)、住所、連絡先
  • 借入額
  • 借入年月日
  • 返済期限
  • 一括払いか分割払いか
  • 利息や遅延損害金の有無と利率
  • 滞納した場合の措置

しかし、個人間の借金では、借入をした事実と、必ず返済する旨の一文のみを記載しただけの借用書が作成されることも多々あります。

このような借用書も返済義務があることを証明する文書として有効ですが、返済期限は明らかになりません。そのため、「急にお金を返せと言われた」というトラブルが生じがちです。

貸主の法律知識が乏しい

貸金業者は関係法令の内容を知り、遵守するのに対して、個人の貸主は法律知識が乏しいことが多いです。

貸主が個人であっても貸金業者であっても、契約で合意した内容を一方的に破棄したり変更したりすることはできません。

しかし、個人の貸主にはそのような認識が乏しく、自分の都合で返済を要求してくることが多々あります。例えば、「返済は3ヶ月後でいい」と言っていたのに、1ヶ月後に「事情が変わったので、すぐ返してほしい」と言ってくるようなケースがあるでしょう。

このような場合、借主にとっては「急にお金を返せと言われた」ということになります。

貸主が感情的になりやすい

貸金業者はビジネスとしてお金を貸しているので、滞納が発生したとしても感情的になることはありません。

しかし、個人の貸主は大切な貯金の中からお金を貸していることも多いので、返済の予定が少しでも狂うと感情的になりがちです。

例えば、分割金の返済が1度遅れた場合、貸金業者からの借金では滞納をすぐに解消すれば大きな問題にはなりません。しかし、個人の貸主は感情的になり、「残高を今すぐ一括で返せ」と要求するケースが見受けられます。

このようなケースも、借主にとっては「急にお金を返せと言われた」と感じるでしょう。

急にお金を返せと言われて、すぐ返す必要があるケース

ここからは、急にお金を返せと言われた場合に、返済義務があるかどうかを状況別に解説していきます。

次の2つのケースでは、すぐ返す必要があります。

返済期限が到来した場合

「○年○月○日までに全額を返済する」という形で返済期限の約束をしていた場合は、その返済期が到来すれば、当然ながらすぐ返さなければなりません。

返済の期日を明確に定めず、「仕事に就いて給料が入るようになったら返済する」といった条件を定めていた場合は、その条件が成就したときに返済する必要があります。

このように、「○○が実現したら返済する(それまでは返済を猶予する)」という形の条件のことを「停止条件」といいます。

なお、「出世したら返済する」と約束した場合は、不確定な事項を条件としていることから、実際に出世したか、または出世の見込みがなくなった時点で返済しなければならないと考えられています。

期限の利益を喪失した場合

分割払いの約束をしていた場合は、期限の利益を喪失すると、残高を一括ですぐに返済する必要が生じます。

「期限の利益」とは、返済期限が到来するまでは返済しなくてよいという利益のことです。借主は、毎月の返済日までに所定の金額を支払えば、残りの金額は支払わなくてよいという利益が得られます。

しかし、例えば、「返済が2回以上遅れた場合は期限の利益を失う」という約束をしていた場合は、返済が2回以上遅れると残高を一括ですぐに返済しなければなりません。

このような契約条項のことを「期限の利益喪失条項」といいます。

返済義務はあるが、すぐに返す必要はないケース

次に、急にお金を返せと言われた場合に、返済義務はあるものの今すぐに返す必要はないケースを3つ、ご説明します。

返済期限を定めていない場合

個人間の借金では、返済期限を定めていないことも多いでしょう。返済期限の定めがない場合、貸主は「相当の期間」を定めて返済の催告ができると民法で定められています。

貸主が「今すぐ返せ」と要求した場合、借主は「相当の期間」が経過したときに返済しなければならないと考えられています。

「相当の期間」は当事者の関係性や借りたときのやりとりによって変わりますが、一般的には数日から2週間程度です。

したがって、返済期限を定めていない借金を急に返せと言われた場合は数日から2週間程度、返済の猶予を求めることが可能です。

分割払いで滞納していない場合

分割払いの約束をした借金で、滞納がなく予定どおりに支払っている場合は、残高を急に返せと言われても応じる必要はありません。

滞納していなければ期限の利益を喪失しないため、貸主が一方的に「事情が変わったので、すぐに返してほしい」と言われても、応じる必要はないのです。

滞納していても期限の利益喪失条項がない場合

個人間の借金では、分割払いの約束をするときに期限の利益喪失条項を定めないことも多いです。

期限の利益喪失条項がなければ、分割金の支払いを滞納しても、返済期限が未到来の分については期限の利益を失いません。そのため、貸主が業を煮やして「残高を一括で払え」と言ってきたとしても、応じる必要はありません。

ただし、個人の貸主でも法的知識がある人は、期限の利益喪失条項を定めていることがあります。契約書がなくても、メールやLINEなどで期限の利益喪失について約束したやりとりが残っている場合は、一括での返済義務が生じますので注意しましょう。

急にお金を返せと言われても返済義務がないケース

以下の3つのケースでは、そもそも返済義務がありません。そのため、急にお金を返せと言われても返済は不要です。

返さなくてよいと言われていた場合

もともと相手から「返さなくてよい」と言われて受け取ったお金は、借りたものではなく贈与されたものに当たります。したがって、返済義務はありません。

次のようなケースでは後で返済を迫られることも多いですが、安易に応じないように注意しましょう。

  • 元恋人や同棲相手からプレゼントをもらったり、生活費を出してもらったりしていた
  • パパ活相手から金品を援助してもらっていた
  • 地元の先輩などから学費や事業資金を支援してもらっていた

急にお金を返せと言われて返済を約束してしまった場合でも、状況によっては強迫などを理由として返済の約束を取り消せる可能性があります。困ったときは、早めに弁護士へのご相談をおすすめします。

法外な利息の約束をしていた場合

出資法で定められた上限金利(個人間借金では年109.5%)を著しく上回る利息の約束をしていた場合、契約は公序良俗に反するため無効となります。その場合、相手から受け取ったお金は不法原因給付に当たるため、返済する義務はありません。

SNSなどを介した個人間融資では、法外な利息の約束によって契約が無効となるケースが多いです。

ただし、具体的に金利が年何%以上で契約が無効となるのかについて、明確な基準はありません。法外な利息を要求されて困ったときは、弁護士に相談して対処した方がよいでしょう。

消滅時効が成立している場合

返済する約束をして借りたお金であっても、消滅時効が成立した場合は返済する必要がなくなります。

個人間借金の消滅時効期間は、民法が改正されたことにより、以下のように借入の時期によって異なります。

借入の時期 消滅時効期間
2020年3月31日以前 10年
2020年4月1日以降 5年

消滅時効期間の進行がスタートする時期は、以下のとおりです。

ケース 消滅時効期間の起算点
一部でも返済した場合 最後に返済したとき
まったく返済していない場合 返済期限を定めた場合は、期限が到来したとき
返済期限を定めていない場合は、借入をしたとき

消滅時効が成立した場合には、「時効の援用」という手続きが必要です。その手続きは、「消滅時効援用通知書」という書面を内容証明郵便で作成し、貸主宛に送付するのが一般的です。

時効の援用をするまでは、法律上の返済義務は消滅しないことにご注意ください。

なお、途中で貸主から返済を催告されたり、裁判を起こされたり、借主が返済の猶予を求めたりした場合などでは、時効期間がリセットされたり、時効の成立が延期されたりする可能性があります。

消滅時効が成立しているかどうかについても、弁護士に相談して正確に確認した方がよいでしょう。

返済義務がないのにお金を返せと迫られたときの対処法

返済義務がないにもかかわらず、急にお金を返せと言われた場合は以下のように対処しましょう。

返済義務がないことを相手に説明する

返済義務がない以上は、返済を拒否すべきです。穏便に解決するためには、返済義務がないことを相手に説明し、理解を得た方がよいでしょう。

ただし、相手に法律知識が乏しければ、素直に納得してくれるとは限りません。SNSを介した個人間融資などでは、返済義務がないことを承知の上で返済を迫ってくることもあります。

相手が納得しない場合には、以下の対処法も必要になります。

度を超えた取り立てを受けたときは警察に相談する

個人間借金における取り立てのルールには、法律上の規制は特にありません。しかし、以下のように刑罰法規に触れるような度を超えた取り立ては違法です。

  • 暴行や脅迫を伴う取り立て
  • 自宅に無断で上がり込んだり、返済するまで居座ったりする
  • 職場への取り立てによって業務を妨害する
  • インターネットに個人情報を晒し、削除と引き換えに返済を迫る

このような取り立てで困ったときは、警察への相談が有効です。警察が介入すると、相手も度を超えた取り立てをやめる可能性が高いからです。

刑事事件として立件された場合には、処分を軽くするために相手の方から債権放棄や借金の減額による示談を持ちかけてくることもあります。

ただし、実害が生じていない場合、警察は民事の問題であるという理由で動いてくれないことも多いです。その場合は、すぐ弁護士に相談しましょう。

弁護士に対応を依頼する

貸主からの不当な返済要求で困ったときは、弁護士に対応を依頼するのが最も有効な対処法です。

弁護士は貸主に対して、法的観点から返済義務がないことを論理的に説明してくれます。取り立てを続けるのなら刑事告訴などの法的措置をとる旨の警告もしてくれるので、ほとんどの場合は取り立てが止まります。

貸主との交渉は弁護士が代理人として全面的に引き受けてくれるので、借主が貸主と直接やりとりする必要はなくなります。

返済義務があっても返せないときの対処法

急にお金を返せと言われて、返済義務があるけれど返す余裕がないということもあるでしょう。その場合は、以下の対処法が考えられます。

返済方法について交渉する

まずは、貸主と返済方法について交渉することです。

貸主との関係性によっては、返済期限の延期や分割払い、さらには借金の減額や免除に応じてもらえる余地もあるでしょう。そのためには、正直に事情を説明して誠実に交渉することがポイントとなります。

債務整理をする

貸主との交渉がまとまらない場合や、到底返済できないほどの借金を抱えている場合は、債務整理が有効です。

債務整理とは、法律に則った手続きによって借金の減額や免除が可能となる救済制度のことであり、個人間の借金も対象となります。

具体的な手続きとしては、貸主との交渉が必要な任意整理の他に、法律上の要件を満たせば強制的に借金が減免される自己破産、個人再生などがあります。

状況に合った手続きを行えば、借金問題は必ず解決できます。

急にお金を返せと言われたときに弁護士に依頼するメリット

急にお金を返せと言われて困ったときは、まず弁護士に相談し、必要に応じて依頼することを強くおすすめします。

弁護士のサポートを受けることで得られるメリットは、以下のとおりです。

  • 返済義務の有無を的確に判断してもらえる
  • 返済義務がないときは相手に警告し、取り立てをやめるように交渉してもらえる
  • 返済義務があるときは返済方法について代理で交渉してもらえる
  • 債務整理が必要な場合は複雑な手続きを一任できる
  • いずれの場合も弁護士が連絡窓口となることで、取り立てが止まる可能性が高い

解決方法はケースバイケースで異なりますが、弁護士に相談することで最適な解決方法がわかります。

まとめ

急にお金を返せと言われた場合、相手は法律知識が乏しいことから、不当な要求をしている可能性が高いです。しかし、本記事でお伝えしたように、返済義務があるケースも少なくありません。

泣き寝入りしないためには、返済義務の有無を的確に判断し、状況に合った解決方法を選択することが重要です。そのためにも、まずは弁護士へのご相談を強くおすすめします。

弁護士の力を借りて、適切に問題を解決していきましょう。

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田島 聡泰 (たじま あきひろ)
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