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個人間融資(借りた側)トラブルQ&A

個人間融資では、貸主と借主の間に詳細な契約が交わされることはありません。そのため、貸主が有利な立場を利用して勝手なルールを作って厳しい請求をおこなうケースが多いです。

友人・知人・元交際相手などの貸主が、「法外な利息を設定する」「毎日のように取立てをおこなう」「一括請求を求めてくる」といったトラブルが多発しています。

ここでは、個人間融資のよくあるトラブルをQ&A形式にまとめました。対処法についても簡単に説明していますので参考になさってください。

目次
  1. ホストの売掛金って何ですか?
  2. ホストの高額な売掛金が払えない場合どうすればいい?
  3. 会社の社長にお金を借りたため、仕事をやめさせてくれません。どうすればいいですか?
  4. 個人の貸主から借用書を書かされそうになったらどうすればいい?
  5. 個人の貸主が闇金だった場合どうすればいいですか?
  6. 個人間の借金も任意整理はできますか?
  7. 個人間の借金を解決したい。弁護士と司法書士はどちらが良いですか?
  8. 個人間の借金を踏み倒したらどうなりますか?
  9. 個人間の借金を返済しないとどうなるの?
  10. 個人間融資の金利の上限はどれぐらいなの?
  11. 借用書を勝手に書かれた場合どうなるの?
  12. 借金を体で返済するように求められています。どうすればいいですか?
  13. 元彼から同棲解消の高額な費用を求めらたらどう対応すればいい?
  14. 元彼が過去のデート代や食事代を請求してきましたがどうすればいいですか?
  15. 元彼女に借りたお金を今の彼氏が請求してきます。貸主に変わって取立てするのは違法にならないの?
  16. 友人に借りた100万円を急に一括返済しろと脅されています。
  17. 口約束の借金は法的に返済が必要ですか?
  18. 地元の先輩に奢ると言われた過去の飲食代を高額請求されて困っています。
  19. 担当ホストに売掛を風俗で働いて返済しろと言われましたが、これは法律違反ですか?
  20. 貸主が家に借金取立てに来たらどうすればいい?

ホストの売掛金って何ですか?

ホストの売掛金とは、ホストクラブでお客が飲食した際の未収になっている金銭のことを指します。

ホストクラブでは、来店したお客に対して飲食やサービスを提供し、その代金を請求しますが、この請求された代金が顧客によってまだ支払われていない状態、つまりツケのお金のことが売掛金です。

ホストクラブは一種の接待業ですので、本来、お客との信頼関係が極めて重要ですので、ホストは一定のお客に対して現金を持ち合わせていなくても楽しんでもらうために売掛金という仕組みを用意しています。

一見便利なシステムですが、この仕組みを悪用するホストクラブや担当ホストが存在します。例えば、客が頼んでもいないのに勝手にシャンパンを入れたり、たくさんのお酒を飲ませて酔い潰して、多額の売掛金を作らせる悪質な手口を使うホストがいます。

ホストクラブの売掛金は、担当ホストが一時的に建て替える仕組みのため、ホストとお客の個人的な借金に該当します。そのため、支払いができない女性に対して、ホストは容赦なく厳しい取り立てをおこないます。

近年社会問題化しているのが、ホストが女性客を風俗店で働かせて売掛金を返済させる手口です。

もしもホストの売掛金の返済が厳しい場合、問題を抱え込まないことです。弁護士に相談するなどして、債務整理をおこない、売掛金(借金)自体を減額する、減額した借金を分割で支払うなどの方法を取りましょう。そして、ホストとは完全に縁を切ることが重要です。

ホストの高額な売掛金が払えない場合どうすればいい?

ホストの売掛金は個人間の借金に該当します。合意して売掛したなら返済の必要性が生じますが、高額で払えない場合、まずは誠実に事情を伝え、分割払いや減額・延期の交渉をしてみましょう。

ホストが厳しい態度で請求するようなら、弁護士に相談し法的アドバイスを受けたり、代理人として和解交渉をしてもらうと良いでしょう。

会社の社長にお金を借りたため、仕事をやめさせてくれません。どうすればいいですか?

社長の言い分とそれが法的強制力を持つかについての確認が必要です。以下の手順を検討してみましょう。

1. 借金について社長と話し合う
借金額や利息などを明らかにしたうえで、納得できるものであれば、返済条件や返済計画(分割払い)について双方の妥協点を見つけることです。よく分からない、納得できないということであれば法律の専門家に相談しましょう。

2. 弁護士に法的アドバイスを求める
社長の言い分や行動が適法であるかの確認が必要です。借用書や支払い明細などがあれば、それを持参の上、金利計算や適正な返済額などを算出する必要があります。

3. 労働法を確認する
社長の言い分が労働法に違反している可能性があります。例え社長に借金していても、強引な引き止めは「退職の自由」を阻止するものであり、法律に反しています。こちらも弁護士に相談して適切な対処が必要です。

いずれにしても社長が理不尽な言動を繰り返し、関係修復が不可能ならば、弁護士に相談して法的な解決が求められます。

個人の貸主から借用書を書かされそうになったらどうすればいい?

個人の貸主から借用書を書かされそうな場合、注意深く対処することが大切です。まず、借り手と貸し手の関係や条件を十分に理解し、書面に起こしておくことが重要です。

契約内容、利息など返済条件を詳細に確認し、法的な影響を理解するために必要であれば弁護士のアドバイスを受けましょう。

特に金額が大きい場合、その場ですぐに借用書を書かないほうが賢明です。相手とのやり取りはメールなどでおこない、貸主の言い分を聞いた上で弁護士に相談しましょう。

個人間の場合、信頼関係は大切ですが、金銭が絡むと後で揉めるケースが多いため、慎重な行動が求められます。

個人の貸主が闇金だった場合どうすればいいですか?

個人の貸主を装う闇金は多いです。特にX(ツイッター)には多く紛れ込んでいるので要注意です。

貸主が闇金だった場合でも暴力・恐喝・口座譲渡などを除き、警察に相談してもほとんどのケースで何も対応してくれません。

闇金からの取立てに困ったら、闇金専門の弁護士に助けを求めることが適切な対応です。

個人間の借金も任意整理はできますか?

個人間の借金も任意整理をすることはできます。個人間の借金の任意整理は以下のような方法で手続を進めます。

・弁護士の選定
個人間の借金問題は当事者同士では和解できないケースが多いため、弁護士選びから始めます。その際、借金問題に強い弁護士を選びましょう。

・任意整理の提案
弁護士は借主の返済能力などをもとに任意整理の計画を作成し、これを貸主に提案します。返済計画には毎月の返済額や期間などの条件が含まれます。

・和解合意
貸主は弁護士からの提案を受け入れるか拒否するかを決定します。多くの場合「少しでも回収したい」「裁判は面倒」といったことから計画を受け入れます。

・返済開始
借主は計画に基づいて毎月返済を行います。全ての借金の支払が完了したら任意整理は終了となります。

個人間の任意整理は双方の主張が噛み合わず、話し合いが平行線になるケースが多いため、弁護士のような法律のプロに依頼をして解決することが望ましいです。適切な利息計算と返済プランを提案・交渉してくれますので、個人間の借金でお悩みなら相談してみましょう。

個人間の借金を解決したい。弁護士と司法書士はどちらが良いですか?

弁護士と司法書士どちらも個人間の借金問題を解決することができる法律の専門家ですが、業務範囲に少し違いがあります。

・弁護士
弁護士は法的なアドバイス、代理権行使、裁判所での手続きなど制限なしであらゆる法律サポート業務が可能です。

・司法書士
司法書士の専門分野は登記全般ですが、債務整理手の続きも弁護士同様に対応は可能です。ただし、個人再生・自己破産は書類作成代理人としてしか対応できません。
司法書士は1件あたりの債務額が140万円を超える場合、その案件の交渉対応はできません。

個人間の借金においても140万円を超えるならば、弁護士に依頼して解決をすることが最適です。

個人間の借金を踏み倒したらどうなりますか?

個人間の借金も相互で交わした契約事であるため、例え借用書や契約書が無くても踏み倒しは法的に認められません。

債務不履行は個人の信用に悪影響を与え、さらに貸し手は法的手段を取る可能性があります。家族や会社に取立ての連絡が行く可能性もあります。

話し合いをおこない協力的な姿勢で和解を目指しましょう。もしも返済が難しい場合は債務整理をするのも一つの方法です。弁護士に相談して良い解決方法を模索しましょう。

個人間の借金を返済しないとどうなるの?

個人間の借金を返済しない場合、貸し手は法的手続きをおこなうかもしれません。訴訟や差し押さえを受ける可能性があります。

実力行使で取立てをおこなう貸主もいますので、当事者間でトラブルになることも多いです。

お金を工面できず借金返済が難しいようならば、速やかに債務整理を検討すべきです。

個人間融資の金利の上限はどれぐらいなの?

利息上限を定める法律は2つあり、それぞれ20%と109.5%です。

1つ目は利息制限法で、上限年利は元金に応じて決まり15%~20%です。

  • 元金が10万円未満:年20%
  • 元金が10万円~100万円:年18%
  • 元金が100万円超:年15%

この年利を超えた分は支払う必要がありません。

2つ目は出資法で、上限年利は109.5%です。この年利を超えた場合は契約そのものが無効となり、元金も含めて一切の返済が不要です。

利息には手数料や保証料なども含まれるため、額面上の年利10%だとしても実際には法律違反だったというケースもあります。

借用書を勝手に書かれた場合どうなるの?

借用書を勝手に書かれてもどうにもなりません。同意のない借用書には法的効力がありませんので、借用書を基に請求されても無視すれば良いです。

個人間の借金では、貸主が「法律なんて関係ない」といって請求してくるケースも多くあります。その場合は警察に通報しましょう。

借用書に名前を勝手に書かれた場合は有印私文書偽造罪(刑法159条)という罪になりますので、警察や弁護士に相談するのが最善の解決策です。

借金を体で返済するように求められています。どうすればいいですか?

借金を体で返済する「ひととき融資」を求めるのは、違法で不当な行為ですので、決して応じてはいけません。こうした要求に対処するためには、以下のような対処法を検討しましょう。

まず最初におこなうべきは、はっきりとそのような要求には応えられないということを相手に伝えましょう。それでも、体での返済やひととき融資を要求してくるならば、一旦断って以下のような行動に移りましょう。

・警察に通報
繰り返し要求してくるなら、証拠を持って警察に相談しましょう。悪質性が高いケースなら刑事事件として取り扱ってくれる可能性があります。

その際、可能な限り通話やメッセージの保存を行い、証拠を集めましょう。これは法的手続きをおこなう場合にも有力な裏付けとなります。

・弁護士に相談
弁護士に相談すれば、貸主に対してひととき融資を止めさせることができます。借金の減額や不払いなどの交渉をおこなってくれます。他にも借金があれば債務整理によって解決が可能になります。

・カウンセリングを受ける
精神的な負担により不調が見られるようならば、専門の相談機関や心理カウンセリングを利用することをおすすめします。自治体や性被害の支援組織に相談するのも良いでしょう。

個人間融資では、悪質な個人の貸主が増えています。借金問題はできるだけ早く弁護士など法律の専門家に相談しましょう。

元彼から同棲解消の高額な費用を求めらたらどう対応すればいい?

法的にどのような立場に立たされているかを知って、同棲解消に関する法的な責任を理解することが必要です。不当な請求であれば拒否し、納得いかない場合は法的なアドバイスを弁護士に求めましょう。

当人同士での感情的なやり取りを避け、必要に応じて弁護士に相談して慎重に対処することです。

元彼が過去のデート代や食事代を請求してきましたがどうすればいいですか?

元彼から過去のデート代や食事代を請求されても、法的な支払い義務は通常発生しません。

お互い合意の上の消費活動ですので、借用書や返済を約束した証拠がない限りは払う必要は生じません。

相手が強引な取立てをしてきたり、ストーカー行為など、生活を阻害する行為があれば警察に相談しましょう。法的なアドバイスや合理的な金銭の支払いについて知りたい、交渉代理人が必要なら、弁護士に依頼して解決を目指しましょう。

元彼女に借りたお金を今の彼氏が請求してきます。貸主に変わって取立てするのは違法にならないの?

元彼女が今の彼氏に債権を譲渡していたら、取立てをおこなっても合法です。
借金の請求権が貸主から別の人に譲渡された場合、その人は新たな債権者となり、法に基づいて債権を請求することが可能になります。

ただし、今の彼氏が違法な取立て行為をおこなうようなら、直ちに対応を検討したほうが良いでしょう。

・威圧的な行為
脅迫、暴力的な言動、侮辱的な発言などは法的に問題が生じる可能性があります。

・家族や職場への取立て
貸主が家族や職場に頻繁に連絡したり返済請求する行為は問題が生じます。

・個人の活動を妨げる行為
借主に対して昼夜問わずLINEや電話をして取立てる行為は個人の活動を妨げるため問題が生じます。

・虚偽の情報の提供
債務者に対して虚偽の情報を提供したり、威力を行使したりする行為も問題となります。債権を譲渡されていないのに取立てる行為も同様です。

個人間の借金問題は当事者同士での話し合いによる解決が望ましいですが、貸主が一方的な主張をしたり、法外な請求をしてきたり、人権を妨げるような行為があるなら、法律の専門家である弁護士に助言をもらい解決するのが適切と言えます。

友人に借りた100万円を急に一括返済しろと脅されています。

個人間の借金は、例え友人であっても感情的なトラブルに発展しやすいです。まずは相手の言い分を聞いた上で自分ができることを考えて、それでも話し合いが平行線になるようなら第三者に介在してもらうことになります。法的な解決も視野に入れるべきでしょう。

・話し合い
相手を避けるのではなく、冷静な状態でコミュニケーションを取ることが必要です。具体的かつ実行可能な返済計画について話し合いましょう。トラブルを避けるため、周囲に人がいる場所で話し合いましょう。

・現在の状況を伝える
急な一括返済が難しい場合、その理由を率直に伝えます。正直かつ具体的に説明すれば理解してもらえるかもしれません。

・返済計画の提案
一括返済が難しい場合、相手に分割払いや支払い猶予を依頼しましょう。

・法的対応の検討
もし友人が脅迫的で法外な金額を請求するようなことがあれば、法的な対応を検討すべきでしょう。弁護士に相談し、ベストな解決策を提案してもらいましょう。

その際、これまでの借入れや返済に関する取り決め、メッセージ、通話記録などの証拠を弁護士に見せましょう。

友人が話し合いに応じるようなら、その取り決めを書面(借用書)に残すことをおすすめします。もし相手が強硬な姿勢で請求を求めるようなら、弁護士に依頼して和解交渉を行うことです。

できるだけ友人との信頼関係を損なわないように心掛け、問題解決に向けて前向きにアプローチしてください。

口約束の借金は法的に返済が必要ですか?

口約束でもお金を借りたのであれば、約束通り返済することが必要です。

口約束での借金も法的には契約したものとみなされます。もし借金が口頭で合意されたならば、法的に債務として返済義務が生じます。

しかし口約束の場合、証拠が明確ではないことが多いため、言った言わないの水掛け論になって揉めるケースが多いです。

もしも借りたことを証明するメモ、メール、音声などの証拠が残っていれば、それは明らかな証拠になるため返済が必要です。仮に証拠が何もなくても、貸主は法的手段を取ったり、力付くで回収しようとすることも考えられます。

地元の先輩に奢ると言われた過去の飲食代を高額請求されて困っています。

地元の先輩の中には、金回りが悪くなると、自分の立場の強さを利用して、このような理不尽な請求を持ちかけてくる人もいます。

相手がどのような理由をもって高額な請求をしてきたのかを理解し、お互いの立場を尊重しつつ話し合うことが重要です。

高額請求に対しては以下の方法で対処しましょう。

・支払い明細の確認
明細を確認して、実際に支払った金額と請求されている金額が一致しているか確認しましょう。もし相違がある場合、その点を先輩に伝えます。

・請求の根拠の確認
先輩に、その高額な請求の根拠や詳細を尋ねてみましょう。なぜにそのような金額になったのか根拠を明らかにしてもらうことです。

・分割払いや妥協の提案
もし請求が妥当であると思うならば、手持ちの資金やこれから入るお金をもとに支払い計画を立てて、分割払いでの支払いに応じてもらうことです。

・仲介者に介在してもらう
どうしても当人同士で話がまとまらない場合、共通の友人など信頼できる仲介者を巻き込んで話し合うことも一つの手段です。

・法的助言の取得
紛争が解決しない場合、法的なアドバイスを弁護士に求めることも一つの選択肢です。また、弁護士を代理人にして交渉を依頼してみるのも方法です。

借金問題は民事の問題ですので警察は介入できません。当人同士で話し合って解決するか、弁護士に依頼して和解を試みるか、いずれかの対処が必要になります。

担当ホストに売掛を風俗で働いて返済しろと言われましたが、これは法律違反ですか?

担当ホストに売掛金という借金があるならば、法的な返済義務が生じます。しかし、借金の返済方法について、契約書による合意がなければ、そのような強制労働の提案に応じる必要はありません。

風俗業は合法な職業ですが、風俗の仕事を紹介することは職業安定法に違反します。

ただちに警察、弁護士、専門の相談機関に相談することをお勧めします。

貸主が家に借金取立てに来たらどうすればいい?

貸主が家に借金取立てに来たら、慌てず冷静に対応しましょう。口頭での取り決めは避け、コミュニケーションを文書に残すよう努めます。

借用書を書くように迫られてもその場では応じないようにしましょう。無理な返済計画や法外な利息を請求されるようなら弁護士に相談することです。

脅されたり、暴力を振るわれるようなら迷わず警察に相談しましょう。

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東京弁護士会所属
田島 聡泰 (たじま あきひろ)
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以上の実績
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