親の金銭トラブルの相談内容
これまで親(実父、義理母)と同居していたのですが、ある事がキッカケで喧嘩をしました。
家は父親から1000万円ほど借りて私と妻の名義で建てたものです。毎月の住宅ローン、固定資産税などは私が支払っており親は一銭も支払っていません。
その後、親は家を出ていき1000万円を一括返済するように要求されています。現在、確認書にサインするよう求められています。
借りたお金は返済する意思はありますが、一括で返済するのは無理です。親との関係修復は困難で縁を切りたいとも考えています。
現実的に話し合いもできないので第三者に間に入っていただいて解決したいと考えています。
弁護士さんはどのような法的アドバイスをしていただけますか?本件に介入していただくことは可能でしょうか?
※ 本人特定を避けるために一部内容を改変しています。
解決方法の提案
弁護士に依頼すれば、親との話し合いを仲介してもらえます。弁護士の交渉力により、妥当な返済額や返済方法を取り決めるだけでなく、「縁を切る」ことも含めての和解成立が期待できます。
対処法とアドバイス
弁護士はご依頼者の代理人として活動できますので、ご依頼いただければ、弁護士があなたに代わって親御様と話し合いをしてくれます。
住宅購入資金として借りたお金については、借りたときの合意内容にもよりますが、全額を一括で返済しなければならない可能性が高いといえそうです。
なぜなら、返済期限を定めていない借金では、貸主はいつでも返済を請求することが可能だからです。借主は、請求を受けてから「相当の期間」(通常は1週間程度)が経過した後に、全額を返済しなければなりません。
親御様と同居していた期間に応じて減額を主張することも考えられますが、「同居中に家賃相当額を負担する」などの合意をしていなければ、この主張は基本的に認められません。
しかし、弁護士を通じて交渉すれば、妥当な返済額と返済方法で和解できる可能性があります。相手はかたくなに「1000万円の一括返済」を主張するかもしれませんが、相手としても、裁判をしなければ自分の主張を押し通すことはできません。そのため、弁護士が粘り強く相手と交渉することにより、妥当な条件で和解できる可能性が高いといえます。
親御様との縁を切る方法についてですが、法律上、親子の縁を切る制度はありません。
しかし、弁護士を通じて相手と和解する際に、「今後はお互いに一切の接触・干渉をしない」「違反した場合は違約金として金○○万円を支払う」といった条項を盛り込むことにより、事実上は縁を切ることもできるでしょう。ただし、その場合でも親族間の扶養義務や相続権など、法律上の親子の縁は切れないことにご注意ください。
10,000件
以上の実績
弁護士として約15年間にわたって借金問題、民事事件、刑事事件などを取り扱う。現在はライターとして法律関連記事の執筆活動をおこなう。